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高級時計なぜ売れる? 投資目的だけではないブームと「ウブロ」CEOも語った高級時計の新トレンドとは

高級時計なぜ売れる? 投資目的だけではないブームと「ウブロ」CEOも語った高級時計の新トレンドとは

世界中で新たなライフスタイルを求められる昨今、高級スーパーコピー時計 n級の業界にも変化があります。人気のロレックスだけではなく、高額モデルが売れているとのこと。その理由について、時計ジャーナリストがスイスで取材した内容をもとに紐解きます。

●世界中で高級時計が「売れている」
 旅行業界や飲食業界を筆頭にほとんどの業界が大きなダメージを受けた、2020年春から現在まで続く新型コロナのパンデミック。だが当初はダメージを受けたものの、結果的にこの世界的な事件が「追い風」になった業界がある。時計業界、それも1本の価格が100万円、300万円、1000万円以上という、スイスの名門・老舗ブランドを中心とする「高級時計業界」だ。こうした時計がかつてないほど売れている。
 それを示すデータがある。スイス時計業界最大の業界団体、時計ブランドから部品メーカーまで参加する公的団体、スイス時計協会が発表している「スイス時計の海外輸出額(商品価格ベースではなく工場出荷額ベース。部品も含むが、ほとんどが腕時計)」だ。
 2020年は前年比マイナス21.8%と大きく落ち込んだものの、2021年は新型コロナ禍前の2019年を3.5%超え、さらに過去最高だった2014年を超える史上最高の223億スイスフラン(約3兆2558億円/1スイスフラン=146円として)。しかも輸出本数は2019年と比較してマイナス23.8%、つまり3/4に激減したのに、である。つまりそれだけ高額品が売れているのだ。

 今年2022年になってもこの好景気は続き、さらに加速している。上半期の1~6月の総輸出額は2021年のプラス11.9%を記録。その後も輸出は全世界で好調なので、2022年のスイス時計の総輸出額が前年比10%を超えた史上最高額を記録することは間違いない。

●「ウブロ」のCEOが語る「史上最高の好景気」
 「1990年代から現在まで30年間、時計業界で働いてきましたが、これまでの私のキャリアの中でも、これほどの好景気は経験したことがありません」


 これは去る6月に来日した、LVMHグループ傘下の人気高級時計ブランド「ウブロ」のCEOを2014年から務めるリカルド・グアダルーペ氏が、筆者のインタビュー冒頭でまず語ってくれたこと。
 その前の今年3月末から4月初旬にかけて、フリーランスで活動する筆者は新型コロナ禍で取材を諦めるメディアが多いなか、3年ぶりにスイス・ジュネーブで開催された時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2022」を現地取材。人気時計ブランドのVIPたちにインタビューした。
 ウブロのグアダルーペCEOと同様、現地で取材したVIPや時計ブランドの関係者たちも、新型コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻など国際情勢に対する懸念を示しながら、自社の時計の売り上げが非常に好調だと語った。
 ではなぜ高級時計が売れているのか? それは新型コロナ禍で海外旅行、国内旅行ができなくなった結果、富裕層を中心として「旅行」に使われていたお金が高級時計の購入に回ったからだ。
 しかも購入者の多くが「これまで高級時計に興味がなかった」人たち。ファッションには興味があり多額のお金を使ってきたが、高級時計には興味がなかった。そんな人たちが今回のコロナ禍で初めて「高級時計を発見」し、購入するようになった。
 「これまでとは違うお客様、とくに若い方が増えています。そこで今、そんな方々にとって魅力的な時計作りに力を入れています」というグアダルーペCEOの言葉がこの状況を裏付けている。

●「転売して儲かる!?」モデルは数年待ち!
 さらにもうひとつ高級時計ブームを後押しすることがある。それがネットの一部で盛り上がる「時計投資」ブームだ。


 高級時計は他の工業製品と違い簡単に増産できるものではない。その生産は設計技術や工作機械による製造技術の大進化でかなり自動化された。だがそれでも手間がかかる。大幅な増産は無理だし、そもそもスイスの時計ブランドには「売れている→増産しよう」という考え方はあまりない。大量生産して陳腐化させるより、ブランド価値を守って長く安定したビジネスを続けたいと考えている。
 名門・老舗時計ブランドの人気モデルの生産数は限られていて、欲しいという人が増えればどうしても品薄状態になる。現在はその多くが数年後までのバックオーダーを抱えている状態だ。
 そうした理由から、ここ数年で定価で販売されているこうした人気モデルが「転売ヤー」の手で発売直後に二次流通市場(中古市場)に流れ、定価の数倍の値段で売買されるようになった。
 人は儲け話に飛びつくもの。状況を知った人々が「時計投資家」を名乗ってこうした人気モデルを探し回って購入。将来の儲けを期待して購入したり、素人だが「転売ヤー」のように二次流通市場に転売したりする事態が起きている。この「時計投資」も高級時計人気を加速させている。
 ただ、筆者もスイスの時計業界のVIPたちもこの種の「時計投資」については否定的だ。絶対におすすめできない。なぜなら高額で転売されている時計の多くが、実はその二次流通(中古)価格に見合う価値がないもの。つまりバブルな値段が付けられているからだ。1980年代にも日本で起きた「ロレックス」のバブルバックモデルのブームのように、バブルは必ず弾けて損失を被る人が出る。
 だから、こうした人気モデルにはこだわらない方がいい。もしこだわるなら、長い目で、定価で購入できる日を待とう。

●ヴィヴィッドなカラーと薄型スポラグスタイル!
 では今、時計を購入するならどんな時計がオススメなのか?


 3年ぶりに開催されたスイス時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2022」で感じた今年、さらにこの3年間の高級時計の最新トレンド。それを踏まえたオススメの時計とは何かをお伝えしたい。
 この10年あまり、各社から複刻モデルが続々と登場したように、高級時計の世界では、「クラシックなカラーとスタイル」が不動のトレンドだった。これは高級時計が「時を知る道具」ではなくファッションアイテムとして、それもクラシックなファッションアイテムとして大人たちの心を捉えているから。
 そしてファッションの世界では、昔の映画やある年代のスタイルがリバイバル、リニューアルされて流行する。時計の世界もそれは同じ。そして長く時計業界ではスイス時計が世界No.1の座を獲得し「スイス時計の黄金時代」と言われる1950年代のスタイルが「不動のお手本」だった。
 だがこの「お手本となる時代」が、1970年代に移ろうとしている。では1970年代の時計トレンド、1970年代の時計のスタイルとは何か?
 ひとつは、オレンジやレッド、グリーン、ブラック&イエローなどのヴィヴィッドな文字盤やケース&ブレスレットのカラー。そしてもうひとつが、1970年代の時計オーデマ ピゲの「ロイヤル オーク」 (1972~)が元祖とされる、スポーティであると同時にドレッシーで着け心地軽快な薄型の時計、つまり「ラグジュアリースポーツウォッチ」だ。
 今年の新作時計はこのふたつのトレンドを踏まえたものが多い。そしてこれは今の時代、私たちのライフスタイルに合っている。ヴィヴィッドなカラーは、新型コロナ禍で落ち込み気味だった気分を上げるのにぴったりだ。また「ラグジュアリー」スポーツウォッチ」スタイルの時計は、スポーティでしかも薄型だから付けやすい。そのうえ、カジュアル遣いはもちろんドレッシーなスタイルにも合う。つまり使い回しが利く。
 このヴィヴィッドカラーのトレンドを象徴する新作が、スカイブルーやグリーン、ホワイトなど、これまではなかった鮮やかで明るいカラーのセラミック素材をケース&ブレスレットに使った「ウブロ 激安 代引き」や「IWCコピー代引き」の新作。他社にも、文字盤だけならヴィヴィッドカラーのものがたくさんある。

 また省略して「ラグスポ」あるいは「スポラグ」と省略して言われるスタイルのモデルも、「カルティエ」の「サントス ドゥ カルティエ ウォッチ」を筆頭に、各社からさまざまなモデルが登場している。しかもこうしたモデルのほとんどが、ブレスレットとストラップを自分の手でワンタッチで交換できる、つまりファッションに合わせて雰囲気を変えられる「インターチェンジャブル」仕様なのもうれしい。

●50万円前後やそれ以下の時計にも注目
 そしてもうひとつ、ぜひ注目してほしいのが「チューダー」を筆頭に50万円台からそれ以下の価格帯の、複刻テイストの新作モデルだ。


 この10年あまり、少量生産の名門・老舗時計ブランドの製品価格が上昇する一方で、価格帯では新しいハイテク製造設備の導入による一種の「価格破壊」、コストパフォーマンス(プライスパフォーマンス)の劇的な向上が起きている。
 つまり、かつてなら70万円以上のプライスタグが付いたモデルが50万円台で、50万円台なら20万~30万円台で手に入る。しかもディテールの仕上げは、製造技術の進化でオリジナル以上のクオリティ。
 こうしたモデルもぜひ、お見逃しなく。

オンリーウォッチ2023に出品されるウブロ「MP-15 タカシムラカミ トゥールビヨン オンリーウォッチ」は、ウブロ初のセンタートゥールビヨン

オンリーウォッチ2023に出品されるウブロ「MP-15 タカシムラカミ トゥールビヨン オンリーウォッチ」は、ウブロ初のセンタートゥールビヨン
  モナコ大公アルベール2世の発案によって設立され、モナコ筋ジストロフィー協会が運営するチャリティーオークション『オンリーウォッチ』は、特にデュシェンヌ型を含む筋ジストロフィーの治療研究費用を集めることを目的としている。2005年からスタートしたオンリーウォッチは今年で11回。ウブロは村上隆とコラボした自社初のセンタートゥールビヨン「MP-15 タカシムラカミ トゥールビヨン オンリーウォッチ」を出品する。

  


  


  トゥールビヨンと時分針の同軸構造は、中央のフライングトゥールビヨンのケージの下を2本の白い針が通って時と分を表示することで可能になった。この針が12個の夜光塗料を塗布したインデックスを指し示している。香箱を2つ搭載したことで、この手巻きムーブメントは約150時間(約1週間)のパワーリザーブを実現。直列に並べられた香箱が一つの平面上に配置されており、その均整の取れた様子をサファイアクリスタル製ケースバックから見ることができる。

  トゥールビヨンやインデックスから花びらに至るまで、村上隆の色彩豊かで詩的な美しさのファンは、このMP-15の内部から外観まで、彼の描くリズムをたどることができるだろう。444個のジェムストーンを豊かにあしらった12枚の花びらが、このタイムピースに明るく楽しげな美学をもたらしてる。まるで本物の花のように、花びらはムーブメントの中心に向かって傾斜している。子どもがクレヨンで遊ぶように、色の明るさとジェムストーンの輝きで遊び、手首に鮮やかなスーパーフラットアートを作り上げるイメージだ。

  しかし、それだけではない。村上隆の世界観を表現するため、MP-15オンリーウォッチのドーム型サファイアクリスタルの裏には、満面の笑みを浮かべた2つの目がレーザー彫刻で描かれている。この時計の明るいエネルギーは、子どもの持つ未知の力や、無限の好奇心への賛美を表している。

  このMP-15において、村上隆は購入された方への究極のギフトを作り上げた。そして、それを説明できるのは、村上隆本人以外にはいないのだろう。「私は再び書道を始めることにしました。母が好きだったこともあり、5歳から17歳まで、書道教室に通っていました。その結果、指導員の補佐に相当する七段まで上達しました。美大に進学してからは、書道の練習をすることは少なくなりました。しかし、母は私が話をするたびに書道のことを話題にしました!そこで、再び書道に取り組むことにし、墨汁の下地に非常に適した、使い古しのコーヒー濾紙に直接作品を描いたのです。これにより、私がウブロとデザインしたオンリーウォッチ2023のユニークな時計に着想を得た、ユニークな書“タイム・オブ・レインボー”を生み出すことができました。」

  


  Contact info: LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ Tel.03-5635-7055

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